年年大吉
中国に関連するモロモロのつぶやきです。
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DATE: 2008/07/03(木)   CATEGORY: 田中芳樹
風よ、万里を翔けよ
京劇「花木蘭~ムーラン~」を見た繋がりで、
田中芳樹先生の「風よ、万里を翔けよ」を読みました!

風よ、万里を翔けよ (トクマ・ノベルズ)風よ、万里を翔けよ (トクマ・ノベルズ)
(1997/01)
田中 芳樹

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花木蘭を主人公に据えていますが、
あとがきにもある通り、「隋唐演義」が柱となっていて、
どちらかというと、
隋の皇帝で、中華史上、最悪の暴君で名高い煬帝
それを取り巻く群雄がメイン、という気がしました。

亡国の皇帝 (中国の群雄)亡国の皇帝 (中国の群雄)
(1998/04)
高島 俊男寺田 隆信

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最近、明の最後の皇帝、崇禎帝の事を勉強しよう!
と、こちら↑の本を読んでいたのですが、
煬帝も同時収録されておりまして、「風よ、…」と照らし合わせる事もしばしば。
この項を執筆された高島俊男先生
煬帝擁護派、といいますか、
歴史書に書かれている悪いエピソードも、事実かどうかあてにならない、
というスタンスで書かれていますので、
結構アッサリめです。
というか、史実を追って行く形ですから、「高句麗遠征がありました」
で終わってしまいますよね。ページ数も少ないですし。

しかし、「風よ、…」では、そのあたりを一言で終わらせず、
細かく、映像を見ているかのごとく描写してあり、面白かったです!
というか、いかに煬帝が自分勝手だったか、無責任だったか、
気分で行動してたか、みたいな点が強調されてました。
確かに、読んでいたら腹立ちます。

何故「征遼の役=高句麗遠征」で民衆が大変だったのか、
食料の補給がどう難しいのか、等も、実感として解り易かったですし。
高句麗って、根性、凄いんですね~。
降伏するかに見せかけて、決して屈しない、という。
そして煬帝、暴君だけどお人よしというか騙されやすいというか。

きっちり色々な文献を調べて、ウラを取って、
完訳に近い形で発表されているんだろうな~という事が想像でき、
「隋唐演義」の入門書という感じで読めました。
ところどころに「史書ではこうなっているが、実際はこうではないか?」
みたいな一文が挟んであって、小説(=創作話)っぽくはないかもしれません。
勉強になるな~という感じでしょうか。

なので、逆に男装の佳人、木蘭の心理描写の部分については、
全体の文量中の割合からすると、少なめ、あっさりめかな、と。
創作でいいから、もうちょっと色がついてると良かったかも、です。
少女が男装して従軍する、という特殊さについて、
彼女の心理をもうちょっと読みたかったのですが、
そのあたりは「木蘭辞」が執筆された動機そのものが、
現代的な感覚とはまた違うのかもしれません。
やはり個人のアイデンティティよりも
”烈婦の象徴としての木蘭”という意味が強いのでしょうね。
(そこら辺を、田中先生も継承しているのかも)
戦中は啓蒙の意味で、映画が上映されたとか聞きますし。
その中で言うと、
女なのに、女装(!)して皇后に直訴する部分は、
葛藤が出てて良かったです。

遼寧省瀋陽京劇院の京劇の方では、
木蘭のお相手役は、孟鉄剛という人で、
賀廷玉は元帥でした(で、くまどり役でした)。
「風よ、…」では、というか、一般的には賀廷玉がお相手のようです。
孟鉄剛は遼寧省瀋陽京劇院の新創作の人物という事でしたが、
なぜこの新たな登場人物を出す必要があったのかは不明です。
京劇の賀廷玉は、元帥としてもあまり見せ場も無かったですが、
逆に、「風よ、…」での上司、”肉飛仙”こと、沈光はかっこ良かった!
たとえ悪評高い朝廷であっても、一度官の録を食んだからには裏切れない、
というスタンスが!こういう所が美学ですかね~。
あと、木蘭が女と気づいていても、敢えて知らないふりを通してあげる、とか。
…しかし「肉飛仙」ってすごいあだ名…
かっこいいのか悪いのかわかりませんね。

全体を通して、木蘭とか賀廷玉のような伝説の人物より、
実在した武将の話の方が、力入ってる気がしました。

いずれにしても「岳飛伝」よりサクサク読めました(^^)
「岳飛伝」を読んだ2年前は、
中国の歴史を全く知らなかったので(ま、今も大して知らないですが)
その頃より下地が出来たから楽しめたのかもしれません。
岳飛伝〈1〉金軍侵攻ノ巻岳飛伝〈1〉金軍侵攻ノ巻
(2001/04)
田中 芳樹

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そうそう、挿絵の皇名月先生のイラストも、躍動感があって素敵でした(^^)

COMMENT

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● 木蘭の心理描写
まや | URL | 2008/07/04(金) 19:41 [EDIT]
一応愛読者である、私の個人的意見として、
田中先生に女性心理を描いてもらうという、そんな期待は、
そもそもしてはいけないと思うのですが・・・(爆)

田中先生は、沈光みたいなキャラクターを描く時が、
一番楽しいんでしょうね~~。

rei☆azumi | URL | 2008/07/05(土) 08:11 [EDIT]
持ってます! ハードカバーの初版本!!

初読のときは沈光の格好良さに、その後読み返したときは、歴史の流れの圧倒的な迫力に、
そうして先日読み返したときは、オジさんたちの頑張りに幻惑されて、
木蘭の心理が、あまり描かれていないこと、まったく気付きませんでした(爆)

阿吉さんは、目の付け所が違いますねぇ。

ただ……
これが書かれたのは、確か年号が変わって間もなくだったので、田中さんご本人も若いですし、
女性ならぬ身に、男装の麗人(しかも、女性であることを隠さなくてはいけない)の心理描写というのは、難しかったんじゃないでしょうか。

しかも田中さん、どちらかと言えば、屈託のない前向きで元気な女性を書くのがお好きみたいですし。
(『紅塵』の梁紅玉なんて、『岳飛伝』のよりスゴかったですよ。もう、おばあさんでしたけど(笑)
● >まやさんへ
阿吉 | URL | 2008/07/05(土) 11:43 [EDIT]
>田中先生に女性心理
そうなんですね!
恥ずかしながら、田中先生の著書は
まだ2冊しか読んで無くて。
でも何となく傾向は解ってきました!
もっと色々読んでみます♪

>沈光みたいなキャラクター
それは何となく解ってきました!
”ダメなお上に仕えてて報われない武将の忠誠心”
みたいな所でしょうか。岳飛もですし。…M?

自分の読書の着目点が
歴史とか国レベルの広い視野じゃなくて、
個人の心情みたいなチマチマした部分にあるんだなぁ~
と振り返る今日このごろ…(^^;
● >rei☆azumiさんへ
阿吉 | URL | 2008/07/05(土) 11:50 [EDIT]
目が頭の後ろに付いてる阿吉です(^^;

確かに皆さんがおっしゃる通り、田中先生の著作に
心情を求めるのはちょっと違うようですね(^^;
中華料理店に行って、
ラーメンの種類が少ない!というようなもんでしょうか(爆)

という訳で、木蘭の心理描写については
rei☆azumi先生に執筆を是非お願いいたしたく…i-176
結構、題材として書くことありそうと思うんですけどね~。
あんまりそこを突き詰めると
「イケメンパラダイス」みたいになっちゃうんでしょうか(^^;

『紅塵』も良さそうですね!
読んでみなくては!
● 上洛の際に。。。
まや | URL | 2008/07/06(日) 15:50 [EDIT]
>『紅塵』も良さそうですね!
>読んでみなくては!

古龍のお礼に、田中先生の作品を何冊か押しつけちゃいます!!
● >まやさんへ
阿吉 | URL | 2008/07/06(日) 23:26 [EDIT]
>田中先生の作品
うわ~ありがとうございます!(^^)
著作が多いですもんね♪
その中からファンお勧めの本となると、楽しみです!

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