年年大吉
中国に関連するモロモロのつぶやきです。
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DATE: 2008/08/05(火)   CATEGORY: 井上祐美子
臨安水滸伝
まやさんからお借りした本、第2段!
井上 祐美子先生の「臨安水滸伝」を読みました!

臨安水滸伝 (講談社文庫)臨安水滸伝 (講談社文庫)
(2002/09)
井上 祐美子

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面白かった!!
こういう作風、好みです!(^^)

「水滸伝」とあるので、梁山泊の水滸伝かと思ったら、
違いまして、岳飛モノとでも言うべきでしょうか?
解説にある通り、岳飛の死後のお話で、
岳飛を遠景に据えてのストーリー展開です。
つまり、水滸伝=水の畔の物語、という事なんでしょうか。
水運業を営む夏家の従兄弟、風生と資生が主人公でした。

あらすじはAmazonの方でご覧くださいませ~(^^;(←手抜き)
以下、ネタバレありの感想です!
主人公の風生の立場が徐々に明らかになっていく、
という展開もワクワクしますし、
風生と秦檜の会話がなかなか!

この風生が非常にクール、動じない男なのですが、
やはり秦檜とでは役者が違うのでした。
夏風生という人物、架空の人物ですよね?
そして岳飛の側近の遺児、という設定でしたが、
その本当の親は誰なのか…?
(夏という姓は、育ての親の姓です)
あぁ~続きが気になるので、続編書いてくれませんかね~?

秦檜、やはり岳飛を冤罪に陥れたという点で悪者なんでしょうけど、
小ワルじゃなくて、大ワルというのはやはり器が違います。
甘んじて憎まれ役を引き受けている、という設定です。
現代的感覚からいえば、
私も、無駄に民が死ぬよりは、和睦を結んだ方が良いと思います。
ま、だからといって岳飛を殺して良い事にはなりませんけども。

岳飛像も、抗金の名将とか、神格化されたスーパーヒーローじゃなく、
ちょっと岳飛の忠誠心について疑問を残してたりする点が、
私としては新鮮でした。

そして、批難の矢面に立ってる秦檜よりも、
ボスである、時の皇帝、高宗の方が責任は重いように思います!
それに、ズルイよ!人間としてどうなんでしょうか??
(…あ、皇帝を批判してしまった!!)

…というように、市井の主人公を通して、当時の朝廷のアレコレを魅せる、
という手法が非常に素晴らしかったです。

なんとなく、全体的なストーリー展開が、
女性目線の作品だよな~という気がしました(^^)
たとえ破滅に向かったとしてもヒロイズムを追及!
…というような展開ではなく、
民の幸せ重視!…みたいな点とか、
大上段から国家を憂いているようでもありますが、
結局はとりあえず家レベルでの平和を保とう!
…みたいな点とか。
なんか心情的に、良く解る気がしました。
やっぱり、女性はまず、国よりも、民族よりも、家族を守りたいんですよね!

夏家の人々も、基本的にみんな善人で、
チームワークも素晴らしいです!
ま、そこがあまりにも現実離れしてるかな~と思わないでもないです。
全然裏切り者もいないし、作戦も破綻しないし。
秦檜に対する評がとても現実的だな~と思わせられるだけに、
余計にそういう所が都合よく見えてしまうのかも。
…でもストーリーが小気味よく展開するので、
こんな重箱の隅をつつくような事は気にしなくて良し!です(^^)

「少爺(しょうや)」とか「孩子(こども)」とか
中国語の雰囲気を残した言葉づかいも好きでした。


井上 祐美子先生の作品は、「朱唇」だけ読んだことがありました。
朱唇朱唇
(2007/02)
井上 祐美子

商品詳細を見る

こちらの作品もそうでしたが、妓女がなかなか印象的です。
アダっぽいだけじゃなく、したたかな部分も持ち合わせています。
でも断然、「臨安水滸伝」の方が面白かったです!

COMMENT

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● 気に入ってもらえたようで良かった!!
まや | URL | 2008/08/06(水) 14:14 [EDIT]
井上 祐美子先生の作品は、中国に興味を持ち始めた頃に読んで、
気に入ったので、当時入手できる文庫は一気に買い集めたのです。
(表紙イラストが皇なつきさんや小林智美さんだったのもポイント高くって(^^;)
初期の作品は割と虚実織り交ぜた、「臨安水滸伝」っぽいものが多いので、
宜しければ他にもお貸ししますよ~。

>全体的なストーリー展開が、女性目線の作品だよな~という気がしました(^^)

私もそう思います!
男性作家の作品、ストーリー展開はともかく、どうも女性の描き方が
気に入らない事が多くて、(多分男性は逆のことを思っているでしょうが・・・)
気がつくと女性作家の作品が本棚に並ぶことになっちゃうんですよね~。
ただでも中国歴史ものは女性が表面に出ることが少ないので、
井上祐美子先生のように女性をメインに取りあげて下さる作家は貴重です!

>「朱唇」だけ読んだことがありました。

こちらは単行本なのでノーチェックでした~。
文庫化を待つか図書館へ探しに行きま~す。
● >まやさんへ
阿吉 | URL | 2008/08/07(木) 00:04 [EDIT]
ありがとうございました~!
「紅塵」も読了したので、又感想をアップせねば…!
(最近珍しく忙しい…)

>女性の描き方
妓女の王雲裳の微妙~な立場と嫉妬は
女性作家ならではの描き方ですよね!
でもキャラ的には、鳥娘みたいな
戦う少女の方が好きです!
碁石が武器ってのもいい感じですし、
棋童っていう職業も初めて知りました!

「朱唇」は武侠っぽくはなかったですね~。
でも女性が主人公で、
艶っぽい作風はそのままでした!
私も図書館で借りたんですが・・・(^^;

という事で、これをきっかけに、
他の作品も図書館で探してみます♪
● この本……
rei☆azumi | URL | 2008/08/07(木) 09:16 [EDIT]
南宋始めの臨安が舞台ということで、去年の秋ぐらいに図書館で借りて読んだんですが、阿吉さんのレビューを見て、また読み返したくなり、借りてきてしまいました(笑)

初期の『五王戦国史』(全8巻です、なんと!)あたりを読んでいる目には、些か頼りない感じもしましたが、
程度と方向の差こそあれ、性格にひねりの入った美青年とか、元気モノの美少女、控えめにしていそうだけれど、存外にしたたかでしっかりモノのご婦人等々、
井上さんの作品は、キャラがしっかり立ってて、大好きです。

悪役を割り振られている人物にも、それぞれの事情や理(ことわり)があって、完全な悪じゃない、というところも良いですよね。
(でも、秦檜が岳飛を冤罪で殺したのは良くない! (笑)

「紅唇」は揚州の妓女たちの逸話を書いた「板橋雑記」(だったと思います。『中国古典文学大系』の56に収録されています)をネタにしたものが多いようでしたが、
全体の雰囲気とか、読後の余韻は井上さんの方が上のように感じられました。
(そのあたりが随筆と小説の違いなのかも)

作品中では、オリジナルっぽい『玉面』が一番好きでした。
● >rei☆azumiさんへ
阿吉 | URL | 2008/08/07(木) 21:54 [EDIT]
おおっ!私の拙いレビューで…!
では次に読むのは「五王戦国史」にしてみます!

最近の傾向として、
悪役が見直されつつある感じがしますよね。
悪役じゃないですが、三国志で言うと、
曹操も昔より人気が上がってきてますし。
なんとなく、善悪二元論でお話を進めるより、
悪役が悪役たる理由とかを描いてくれると、
深みが出るというか、現代文学的というか。
(↑すみません、言ってることが意味不明ですね)

>「板橋雑記」
おぉ~!これも元ネタがあるのですね!
いつか読んでみます!(宿題が増える一方…!)
やはり歴史を絡めると、
完全オリジナル作品って難しいのでしょうか??
● すみません(^^ゞ
rei☆azumi | URL | 2008/08/08(金) 09:05 [EDIT]
変換ミスで「五王戦国」ではなくて「五王戦国」でした。
検索かけられて、「あれ? 無い」ってなるといけないので、念のために。

>悪役が悪役たる理由とかを描いてくれると、
>深みが出るというか、現代文学的というか。
仰るとおりです。
…というか、悪役が魅力的なほうが、読んでて面白くもあるんですよね。

ちなみに、私の友人にも、曹操のファンが一人おりました。

● >rei☆azumiさんへ
阿吉 | URL | 2008/08/09(土) 01:49 [EDIT]
ありがとうございます!
まだ検索かける前でした(^^;

私の身の回りにも、曹操ファンがおります!
「日本人は孔明が好き」とかいう定説は
もうあんまり関係ないみたいですね!
● では・・・
まや | URL | 2008/08/09(土) 14:27 [EDIT]
井上祐美子さんの作品で、
図書館に見当たらない本はお申し出下さいませ~。
いつでもお送りいたします!
● >まやさんへ
阿吉 | URL | 2008/08/09(土) 17:45 [EDIT]
ありがとうございまぅいっしゅ!
宜しくお願いします♪

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