年年大吉
中国に関連するモロモロのつぶやきです。
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DATE: 2008/09/17(水)   CATEGORY: 井上祐美子
海東青―摂政王ドルゴン
まやさん文庫、またまた1冊読了しました!
最近ハマっている、井上祐美子先生の作品、
「海東青―摂政王ドルゴン 」です!

海東青―摂政王ドルゴン (中公文庫)海東青―摂政王ドルゴン (中公文庫)
(2005/09)
井上 祐美子

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先日読んだのは、「紅顔」(呉三桂の物語)でしたね~。
順序としては、
先に「海東青―摂政王ドルゴン 」を読んだ方が良かったかも。

「紅顔」読了後、うすうす感づいてはいましたが、
今まで私のドルゴンに対する認識は大いに誤っていたようです。

「ドルゴン」という名前のゴツい響きや
「碧血剣」で、
巴音(バー・イン)さんがメッチャ悪そうな顔して演じてたって事や、
ドルゴンがホンタイジを暗殺したかのような描かれ方してたって事や、
兄であり、皇帝であるホンタイジの奥さんと再婚しちゃったって事や、
幼い順治帝の摂政として、権力を一手に握っていたって事などから、
物凄い油ギッシュな、超武人系の人なのかと思ってました。

…ちなみに、ホンタイジとドルゴンの年齢差は20歳程度。
「碧血剣」のドラマじゃ、
むしろドルゴンの方がホンタイジより年上に見えました(^^;
巴音さん、存在感ありすぎ!

本当のドルゴンは、どっちかというと体も弱く、文官系の人だったご様子。
(あ、もちろん井上先生の小説中の描写ですよ!史実は知りません。)
よく考えれば、明から清へ支配者が移り変わるにあたり、
政治の機構を改めるという大事業を為し得た方ではあるので、
本当に、「脳みそまで筋肉~!欲望の塊!」
という感じの人では無かったのかもしれません。

とはいえ、漢族側から書いている「碧血剣」とか「七剣下天山」では
満州人のドルゴンが悪役的役回りなのは仕方がない事でしょうか。

井上先生の描く主人公は、
腕力にモノを言わす人じゃなくて、頭脳派が多いですよね。
静かに熟考しているタイプ。
ドルゴンもしかり、です。

ドルゴンは、ずっとずっと考え続けています。
こんな時、皇帝、ホンタイジだったらどうするか…
そうやって相手の立場に立って考える事で、
色々な作戦や政策は図にあたるわけです。

少年の成長譚として、出てくる”壁”の役割は、
今回はホンタイジが担ってました。
この方も偉大な皇帝ですね。
悩んで無い訳じゃないんでしょうが、
ドルゴンよりも決断力があるような感じで描かれてます。
なかなかドルゴンはこの人を越えられない!
常に己を見透かされているような…

この二人の駆け引き、信頼しているかに見え、
時に相手の行動を牽制したり、というのが非常に緊張感があり、
面白かったです!

今回は、妓女は出てきませんでしたね~。
珍しく、女性の登場人物はほぼ無し、といって良い感じでした。
しかし、井上先生描く妓女が
主人公を影で支える立場の人、という意味であるなら、
今作は、漢人ながら包衣(ポイ)として仕える曹振彦がその役割でしょうか。
この二人の関係性がとても良い感じでした。
奴隷である曹振彦は、表立ってドルゴンに進言したり、とかはないですが、
(大体、交わす言葉も少ない)
ドルゴンに「忠義」を尽くす態度を見せる、という点で、
ドルゴンを安心させていた、というか、
非常に良い信頼関係ができていた気がします。

自分はどこまで飛べるのか-
皇帝になるのかならないのか-
タイトルの「海東青」というのは、はやぶさの一種だそうです。
本来、狩猟民族であった満州人の象徴のように出てきます。

ドルゴンは、どこまでも”二番手”だったのですね。
満州人の統治する、理想の国を作る、という点には
大変興味があり、注力していたようですが、
権力そのものには興味がない人、として描かれていました。

軍隊の戦のシーンも、本当は好きじゃないワタシですが、
この小説中の場面は非常に面白かった!
陣の敷き方とか作戦が細かく描かれてた、という訳でもないようですし、
血しぶきがあがってどうのこうの、という描写があるでもないのですが、
疲れ切り、士気が落ちた兵士たちをどう奮い立たせるか、
そこにドルゴンが手腕を見せるところがなんか良かったです。
わかるわ~こういう効果って!と思いながら読みました。
頭いいね~ドルゴン!
人間の心理を良く解っているのですね。

概ね、共感しながら読んだのですが、
唯一、女性関係がどうも腑に落ちないというか…

ドルゴンの女性関係の一番のポイント、といいますと、
兄であり、皇帝であるホンタイジの奥さん、荘妃の事!
ホンタイジ亡き後、荘妃はドルゴンに降嫁します。
兄嫁、しかもドルゴンが摂政として補佐している、
順治帝の生母ですよね。
聞いただけでもなかなか微妙~な感じです。

兄が戦などで亡くなった後、兄嫁を弟が娶る行為は、
寡婦となった女性を庇護する目的で考えられており、
満洲族の習慣では珍しいことではないそうです。
そして、母方の一族の権力争いという観点から、
ドルゴンの権力を牽制する為、荘太后自らが望んだ、
という理由も挙げられていますが、
他の点では漢族の習慣を取り入れていたドルゴンであるだけに、
この”儒教的に見て大変な不義”をあえて犯してしまった、
という点がどうも納得できませんでした。

もっと言うと、ドルゴンが権力に対する欲望をほとんど表に出さ無い、
という真面目なキャラクターづけをされていたために、
何故そこまで荘妃に執着していたのか、という点が、
ピンと来なかったというか。
どうしても、真面目なキャラクターは女性に対しても淡白、
というイメージがあります(^^;
若いころに、荘妃に対して思慕の情があり、
どうしても手に入れたかった!
とかいう描写がもうちょっと濃くあれば納得できたのかも…
(一応あったけどアッサリしてましたので…)

この点においてだけは、
巴音さんの、悪~い、女好きそ~うな笑顔が
頭に浮かんできてしょうがない私でした(^^;
英雄、色を好む!なのでしょうかねw

COMMENT

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● ふむふむ
洪八公 | URL | 2008/09/18(木) 08:49 [EDIT]
あ~~また阿吉さんのカルトな知識が
増えているようですな~~!!
篤姫もこう言っておりました。
『一方聞いて沙汰するな』と
ちょっと違いますが。
立場が変われば見方も感じ方もましてや
考え方も変わるものですよね。
歴史小説はその作者の立つ位置によって
表現したい人物像やメッセージが描かれる
面白いジャンルですよね。
(ある程度史実をベースにするのでしょうが)

● >洪八公兄貴へ
阿吉 | URL | 2008/09/18(木) 22:00 [EDIT]
いえいえ、まだまだ勉強中です!
歴史小説、ほんとにこの1~2年前から
読むようになったばっかしですが、
面白いですね~。

「篤姫」も楽しく見てますよん♪(^^)
女の道は一本道にございます~!

今日、たまたま付いてたラジオで、
「読書の秋アンケート、今、何を読んでますか?」
というコーナーをやっており、
「中国の時代小説を読んでます。『七剣下天山』」
という投稿が!!スバラシイ方がおられます!
思わず興奮しました!(^^)
でも『武侠小説』と言わないあたりが
まだまだ布教活動の必要性を感じますね!

阿銀 | URL | 2008/09/19(金) 13:30 [EDIT]
昔読んだ少女漫画のドルゴン、超美形だったんですよね~。誰の作品だったかな?もう一度見たいので探さないと。

で、TVではあの野獣なクマッチィドルゴンでしょ?
めちゃうけたわけですがな(爆)

>むしろドルゴンの方がホンタイジより年上に見えました(^^;
>巴音さん、存在感ありすぎ!

ほんとだよねえ、クマッチ男盛りの45歳だし。
兄は65歳?にゃあ見えないどころか下に見えましたね。
● わたしも
rei☆azumi | URL | 2008/09/19(金) 19:01 [EDIT]
巴音さんがドルゴン役をやると気付いたころに、この本を読んでいて、ひっくり返った口でした。
ドルゴン、享年39歳。なので、『碧血剣』の頃は30歳前後のはず。
無理がありすぎでっすってe-263

こちらの小説の中のドルゴンは、白皙の青年イメージですよね。
私には、どこか透明な物悲しさが付きまとっているように思われました。
小説の冒頭が、母親を失うシーンだったせいなのかな。
● >阿銀さんへ
阿吉 | URL | 2008/09/20(土) 00:47 [EDIT]
>少女漫画のドルゴン、超美形
そうなんですね~!美形ドルゴン…
勿論、クマッチは素敵(*^^*)ですが、
絶対少女漫画じゃないキャラな気がする…(爆)

私のファーストドルゴンはクマッチなので、
このイメージを変えるのは難しいです(^^;

>クマッチ男盛りの45歳
男、40にして惑わず!(^^)/
10代クマッチ、20代クマッチ、
見てみたいですw
● >rei☆azumiさんへ
阿吉 | URL | 2008/09/20(土) 00:53 [EDIT]
>ひっくり返った口でした。
Oh~!そう思われる方が大多数だった、
って事ですね(^^;
私の中華歴史モノに対する基礎イメージは
ほとんど武侠モノに引きずられてます…(爆)

>透明な物悲しさが付きまとっているように思われました。
>小説の冒頭が、母親を失うシーンだったせいなのかな。
そうそう!そうですよね!
ずっと母親を死から救えなかった、という事が
トラウマのようになってましたね。
少年が母を失う、というのはこんなにも
ショックが大きいものなのだなぁと思いました。

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