年年大吉
中国に関連するモロモロのつぶやきです。
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DATE: 2008/11/22(土)   CATEGORY: 中華映画
鬼が来た!
10月末からこっち、私にしては仕事も忙しく、
なんだかモチベーションも上がらない日々を過ごしてました。
…そんな中なんですが、映画、「鬼が来た!」を見ました。

鬼が来た!鬼が来た!
(2002/11/22)
チアン・ウェン香川照之

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今年の6月に録画していたのですが、
ず~っと見ないでいました。
「第2次世界大戦末期、日本占領下の中国が舞台」とあって、
”残酷な場面”が多いだろう、という予測の元、
日本人の自分としては、覚悟がつくまで先延ばしに。
ところが、こんなローテンションなのに、今日、見てしまいました。

しかし、結論から言うと、良い映画でした!深いです…。
2年くらい前、出演者の香川照之さんが、
監督兼主役の姜文(チアン・ウェン)さんを訪ねて、
撮影当時を振り返る、というドキュメンタリー番組を見ました。
かなり過酷な撮影だったようで、
二人は当時を思い出し、固い握手を-みたいな内容だったと思います。
それで興味が湧き、いつか見てみたい、と思っていた訳です。

映画はほとんど、ラスト近くまでモノクロで撮影されていますが、
それもかなりの効果をあげています。

タイトルの「鬼」、「日本鬼子」を指しているんだろう、と思っていましたが、
もっと広い意味で、「人間の心に棲む鬼」を表現している気がしました。

中華映画ばかり選って見ていると、
どうしても、自分から見ようと意識せずとも
抗日・反日、な描写に当たる事も多いのですが、
中には”あざとさ”を感じるモノもあります。
日本兵の残酷さを必要以上にアピールする為、
人肉を食べるスプラッタな映像をはさんだりして、
それはもう、ただ悪趣味としか。

勿論、日本側がやったであろう、
残虐な行為を否定したりする気持ちはないですが、
何というか、映画としてどうなの?と。

しかし、この映画の表現は、とても理解できるというか-
まぁ私も戦中派ではないので、見たり体験した訳ではないけれど、
かなり事実に近いのではないか?と思いました。
細部まで、丁寧に作られています。
実際、綿密に取材もされたようですし、
日本兵側の主要な役は、
きちんとオーディションをした日本人役者が演じており、
台詞もかなり選んで、戦争体験者に確認したりしながら制作されたそうです。
そういった細部の再現と、心理描写とが、
上手く出ていました。


突然、「私」と名乗る男によって、
馬大三(姜文)の村に連れてこられた
日本兵、花屋小三郎(香川照之)と通訳の二人。
二人を月末まで預かり、供述書も取れ、と馬大三を脅す「私」。
断れば、村人全員の命がありません。

最初は「敵の手に落ちておめおめと生きるなど!殺せ!」
と罵るばかりの花屋ですが、
一緒に預けられた中国人通訳が、上手く馬ら村人に”誤訳”して伝え、
その場その場をやり過ごします。
「殺せ!殺せ!」と一緒に捕まった通訳にも罵詈雑言を浴びせる花屋。
「死ぬフリばかりで、本当に死ぬ気などない!」と、見抜く通訳。

村に駐在している日本海軍の手前もあり、
秘密裏に彼らを匿うのは大変です。

隙を見ては、海軍に助けを求めようとする花屋。
地下室に紛れ込んだ鶏に、自分のお守りを付けて、
庭先に来ていた海軍兵に伝えようとしますが、
それを阻止しようと、包丁を持って鶏を追い回す馬大三。
このあたり、滑稽ながらも、緊迫する場面が続きます。

これ以上匿うのはムリだ、と花屋を殺す事も計画しますが、
皆、自分の手を汚すことは恐しくて出来ません。
殺すに殺せず、生かすに生かせず、意見が分かれ、
喧嘩し続け、疲労困憊していく馬ら村人。

結局、半年が経過し、
剣の達人を招聘して、花屋を斬ろうとします。
しかし、あえなく失敗。

それをきっかけにしてか、花屋は村人に命乞いしだします。
「俺は武士ではない、元々農民だ!」等と
通訳にも話し始める花屋。
軍人としてずっと教育されてきたのでしょうが、
人間としての”生”への執着が見え出す場面です。
馬ら村人も同意し、花屋を陸軍に戻す代わりに
小麦粉2台分をもらうよう、日本軍にかけあう事に。

帰還した花屋の隊の対応も、凄く”らしい”です。
隊長の酒塚は、含む所もあり、「何故、おめおめと戻ってきたのだ?」
と花屋を殴り飛ばしますが、
馬ら村人と取り交わした証文を見て、
「日本人は約束を破らない」と小麦粉を6台分も進呈。
村へ運ぶのまで手伝い、陸軍と海軍と村人とで懇親会をやります。
「軍艦マーチ」の吹奏とか、「ツーレロ節」を歌い、沸く会場。
この辺の描写、日本人関係者が撮影したのでは?
というくらいリアルな感じです。
村人側も、長老が歌を歌って謝辞を表したり、
なごやかに進む宴なのですが・・・!!




人を殺しちゃダメとか、戦争反対とか、
現在では当然の事として教育されているのですが、
あの時代はそうじゃなかった、狂気の時代だったのだ、
という事が良く解ります。
異常事態を当然の事と思い込まされてなければ、
出来なかった事も多いはず。
(全てをそうだと言いきるのは良くないかもしれませんが)
刻々と変わる花屋の態度が、それを良く物語っています。

中国側からの一方的な視点で作られた映画じゃなくて、
日本側からの視点で見ても、納得できるつくりではないでしょうか。
と、言う事で、抗日戦争映画でもあるのでしょうが、
極限状態の”人間”を良く描いている深い映画でした。
ラスト、突然カラーになる場面は印象深いです。
見て良かった。

姜文さんは、俳優としての出演作しか見たことなかったのですが、
凄い作品を撮る人なのですね…!
俳優としては、「紅いコーリャン」が好きでした。
この方、力強い農民の役では、右に出る人はいないかも・・・
と、思っていました。
何か非常に強い生命力を感じさせてくれる俳優さんです。
「異聞・始皇帝謀殺」に始皇帝役で出ていたり、
「ジャスミンの花開く」に出ていたりした時は、
ちょっとイメージ違うなぁと思っていたのですが、
実際にはフランス語も堪能で、かなり文化人な方のようです。

香川照之さんは、
この「鬼が来た!」の過酷な撮影について書いた本も出されているとか。
やはり凄い映画というのは、関係者一同の熱意が不可欠なのですね。
こちらも興味が湧きます!

中国魅録―「鬼が来た!」撮影日記中国魅録―「鬼が来た!」撮影日記
(2002/04)
香川 照之

商品詳細を見る

COMMENT

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● 中国魅録
八雲慶次郎 | URL | 2008/11/23(日) 01:32 [EDIT]
中国魅録、面白いですよ。
撮影中に、急病でやむなく中国の病院に入院することになってしまったところなどは日本の俳優ということで一応VIP待遇なのですが、こんなVIP待遇はいらねー!という話が出ていました。
これ読んで、絶対中国旅行中は医者のお世話にはならないようにしないと!と思いましたよ(^^;

rei☆azumi | URL | 2008/11/23(日) 09:12 [EDIT]
タイトルから想像したより、ずっと良さそう。
何でも先入観を持たずに、見たり読んだりしてみるものですね~。

この「鬼が来た」の原作本(かな?)が、確か図書館にあったはず~と検索をかけてみたら、中国魅録と、両方ともありました。
次に行った時に、借りてみようかな。
● >八雲さんへ
阿吉 | URL | 2008/11/23(日) 15:53 [EDIT]
>中国魅録、面白いですよ。
おぉっ!やっぱり読んでみます♪

>絶対中国旅行中は医者のお世話にはならないように
…ですね!!
国内でも旅先で医者の世話になったことはないですが、
海外だと特に怖いですね~。ヒー。
● >rei☆azumiさんへ
阿吉 | URL | 2008/11/23(日) 15:58 [EDIT]
>タイトルから想像したより、ずっと良さそう。
当然、トンデモナイ行いのシーンはありますが、
鑑賞に堪えうるレベルの物だと思います。
(R15とかじゃなくて)
モノクロなので、逆に大丈夫だったのかもしれません。

>「鬼が来た」の原作本
原作は、ユウ・フェンウェイの短篇「生存」だそうで、
最初の設定だけを借りた、という事のようでした。
日本語訳は出ているでしょうか?
「鬼が来た」のタイトルで本が出ているなら、
ノベライズの方かもしれませんね。
やはり、まずは映画をお勧めします!
(って読んで無いのに・・・)
● 観られましたか
Manbo | URL | 2008/11/23(日) 17:43 [EDIT]
これはかなり強烈な映画でしたね…
観終わってしばらくは、軍艦マーチが耳に残って離れませんでした(涙
あちこちで滑稽な笑いを入れてくるのがまた効果的なんですよね。
思わず笑っちゃうんだけど、なんか常にどこか落ち着かない不安な感じも無意識にあって、
それが終盤にああいう形で顕在化…という。
すごく姜文自身が、突き放した感じというか、冷静(冷徹)な視点からお話を描いていて、
何というか、ある意味当事者でもある中国の監督がこういう作品を撮るというのが凄いなぁと印象深かったです。
● 図書館にありました
謫仙 | URL | 2008/11/23(日) 19:44 [EDIT]
いま図書館に予約しました。
イメージですが、なんか凄い本ですね。愛国虚言の中国で、とうとう本当のこと言う人が出てきた、というイメージ。
それにしても、それ映画どうして手に入れました? レンタルショップにはありませんでした。
同時に幇主の情報力にも恐れ入りました(^_^)。

さて、レッドクリフ見てきました。見てよかった映画ですね。あのスケールの大きさ。大船団は実写なんでしょうか。三国志演義の流れですね。
● >Manboさんへ
阿吉 | URL | 2008/11/23(日) 21:01 [EDIT]
私は結構腹をくくってから見たつもりなのですが、
それでもかなり、衝撃的でした。
大団円で終わるはずはないと思っていましたが、
あの極限状態の映像は本当に…

>あちこちで滑稽な笑い
私的には、ロバ絡みの2シーンが、笑う所でもあり、
緊張感を煽る所でもあり、いや、もう、ほんと!
(上手く言葉に出来ないのがもどかしい!)

>冷静(冷徹)な視点
それは凄く感じましたね。
「日本」に対する恨みを前面に出してるのではなく、
侵略する側(しかも敗戦間際)と、される側の関係として、
第3者的視点でした。
だからやっぱり、
反日感情を煽る目的で撮影されたのではない、
と伝わってきましたね。
● >謫仙さんへ
阿吉 | URL | 2008/11/23(日) 21:09 [EDIT]
>それ映画どうして手に入れました?
私は「シネフィル・イマジカ」チャンネルで放送してたのを
録画したのです。
あぁ、消さずにお渡しすれば良かったですね…
中国では上映禁止になったとか。
TSUTAYAディスカスにはあるみたいです。

レッドクリフ、見られましたか!
早速、謫仙さんの所へもお邪魔してみますね。

謫仙 | URL | 2008/11/24(月) 12:48 [EDIT]
映画はともかく、本だけは予約しましたので読んでみます。
わたしは地上波アナログなンで、まあそのなんです。
最近中国映画に日本の俳優が出ることが多くなりましたね。
否応なく国際化していくようですが、それでもまだ上映禁止ですか。道は遠いのかな。
● >謫仙さんへ
阿吉 | URL | 2008/11/24(月) 20:53 [EDIT]
我が家もまだまだ地上波アナログですが、
ケーブルTVを契約しているので、
NECOさんを初め、専門チャンネルが見られます(^^)

冒頭部分で麻袋を持ってくる「私」が
八路軍のように見えるのがまずかったらしく、
当局から修正依頼が来たのを拒否した為、
上映禁止になったそうです。
なかなか難しいですね。

ふたば | URL | 2008/11/26(水) 23:25 [EDIT]
以前Manboさんにお借りして見ましたよ~。
私的ツボは一刀劉の劉じいさんで、うへ…いい味を出してる~と
つい爺好きのManboさん目線になりそうになったんですが(笑)
「戦争とは何か?」を問いかけてくる印象深い作品でしたね…。
「戦場のピアニスト」でもかなり衝撃を受けましたが、
こちらも負けず劣らず良い作品でした。
こういうのが上映中止になってしまうのは残念ですよね~。
● >ふたばさんへ
阿吉 | URL | 2008/11/26(水) 23:36 [EDIT]
>一刀劉の劉じいさん
「…ササッ!」って刀の構え方とか
良かったですよね!(^^)
劉じいさんの登場シーンだけ、
色が違う感じがしました。
切り損ねて「名声が地に落ちた!」
なんて言ってたりして!
爺的には叢志軍一押しでしょうw

「戦場のピアニスト」は見たことないんですが、
これも評価が高いですよね。
時には戦争映画を見て
色々考えるのも良いなと思いました!

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主映想館 2008/11/23(日) 17:37
2000年 中国 原題:鬼子来了 --------------- 1945年。中国・華北、日本軍に占領された村、掛甲台に暮らすマーの家の戸を ある晩叩く者があっ...  [続きを読む]
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