年年大吉
中国に関連するモロモロのつぶやきです。
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DATE: 2009/01/12(月)   CATEGORY: 井上祐美子
柳絮
はい、怒涛の読書週間です。
まやさんからお借りした(…まだまだあります!)「柳絮」読了!
柳絮 (中公文庫)柳絮 (中公文庫)
(1999/12)
井上 祐美子

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謝道蘊の物語ですね。
この方の事は、「破壊の女神」で取り上げられていて、
割と最近知ったばかりです。
書聖と謳われる、王羲之の息子、王凝之に嫁いだ方で、
才女と名高い女性であります。

タイトルの「柳絮」は、
謝道蘊が幼少の頃、
叔父の謝安が庭に降り積もる雪を見て、
「白雪紛紛何所似(この白い雪が降ってくるところは何に似ているだろうね)」
とつぶやいた所、
男の子が「撒塩空中差可擬(塩を空中に撒くと見たてて、さしつかえないでしょう)」
と答えたのに対して、
「未若柳絮因風起(柳絮が風に舞い上がるようすには、及ばないかもしれません)」
と名答し、「柳絮の才」と褒め称えられた所に起因しているようです。
時代としては、東晋から南北朝時代にあたりますが、
例によって、私はこの辺の時代はノーチェック(^^;
ピントがズレてたらすみません。

謝道蘊が一人称で、自分が嫁ぐ日から晩年まで、
謝家や王家、ライバルの桓家等といった、
当時の名門の目線から歴史を語っています。

魏の諸葛誕は、謝道蘊の叔母の曾祖父にあたるという事で、
当時の名門一族というのは姻戚によってあちこち結びついているのですね。

名門の婦人は人前に姿を現さない時代において、
謝道蘊は女だてらに、清談をやってみたり、大活躍(^^)
彼女の弟、謝玄は、淝水の戦いにおいて、
東晋軍7万で前秦軍15万を撃破し、
大勝利をおさめるという離れ業をやってのけます。
謝家は彼女の叔父の謝安の活躍にもよって、
一世を風靡するのですが。

しかし、彼女の夫、王凝之はちょっと頼りない、
というか、琅邪王氏にしては覇気が無い、というか。
どんな名門であっても、世代が下がっていくにしたがって、
衰退していくものだ、という真理が含まれていますね。
彼女も、最初こそそんな夫に物足りなさを感じたものの、
老いた今となっては夫の心理も解ってきた、と言っています。

そんな王凝之の最期はかなり悲惨というか、
五斗米道の叛乱を抑えきれず、精神を病んだかのように、自害。

対する謝道蘊は、六十になろうかという年齢ながら、
長刀を持って五斗米道に立ち向かいます。
勿論、武術の心得がある訳ではありませんから、
大したたしにはならないものの、
その気迫に賊ものまれる、という感じでした。

当代きっての才女の目線から語らせる、という所に、
井上先生らしさが良く出ていました。

ラスト近く、
米や食べ物が、どうやって作られるのかを初めて知り、
こんな事では危急の時には役に立たぬ、と思い至る辺り、
時代の移り変わりを感じさせながら終わっていました。

COMMENT

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● 女だてら
まや | URL | 2009/01/14(水) 15:38 [EDIT]
歴史物では女性はほどんど誰それの妻、母、娘として登場するだけで、
則天武后や西太后のような一部の例を除くと、
なかなか個人として取り上げられることはありませんが、
井上先生は同姓として、歴史の行間から色々な女性を
発掘してくださるので嬉しいですよね。

私、子供の頃は「女のくせに!」という禁止文句が大嫌いだったのですが、
井上先生の作品に登場する女性にもそういう所が垣間見えるので
なんとなく共感できて、読みやすいのかもしれません(^^;
● >まやさんへ
阿吉 | URL | 2009/01/14(水) 23:59 [EDIT]
>則天武后や西太后
どっちかというと悪名の方が高いですよねぇ(^^;
勿論、同等に悪名高き男性皇帝も数多くいますけど、
中国で女性の政治家(?)というと
やはりこの方た達くらいなのでしょうか??
表立って活躍していなくとも、
裏で夫を支えた才女も多くいらっしゃったでしょうね。

>「女のくせに!」
私もよく言われるんですけど、むしろ、
「女なんだから、もうちょっとどうにかなんない?」
というニュアンスでして、
井上先生のヒロインのようにはなかなか…(爆)
女性の長所をより生かしながら、
更に男性でも出来ないような事をやってのける、
という所は鮮やかですよねぇ。
拍手喝采ですw

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