年年大吉
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DATE: 2009/02/02(月)   CATEGORY: 藤水名子
公子風狂
私にとっての初★藤水名子先生、「公子風狂」を読みました。

公子風狂―三国志外伝・曹操をめぐる六つの短篇 (講談社文庫)公子風狂―三国志外伝・曹操をめぐる六つの短篇 (講談社文庫)
(2001/03)
藤 水名子

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サブタイトルの通り、曹操をめぐる短編集でした。
でも、武将としての曹操、というよりは、
曹操とその愛、曹操の息子とその愛、曹操の親子関係、
曹操の孫とその母と夫人との愛…の物語
という感じで展開しています。
実際、あとがきで、藤先生も
「男と女の物語を書こうと思ったとき、どうも現代ものだと恥ずかしい気がして…」
と言われておりますので、この読み方で間違いないかと。

内容は、

公子風狂
青青子衿
憂愁佳人
女王の悪夢
仮面の皇帝
曹操の死

以上6作品。

曹操と丁夫人の物語が、「公子風狂」
曹昂の初恋から没するまでが、「青青子衿」
曹丕と甄夫人(元袁煕の妻)の物語が、「憂愁佳人」
曹丕の夫人、郭皇后(字は女王)の物語が「女王の悪夢」
甄皇后の子、曹叡の物語が「仮面の皇帝」
「曹操の死」は、そのまま曹操の死に際の回想録、
…といった感じでした。


多分、少女マンガっぽいのは、「青青子衿」でしょうか。
曹昂は、父親の曹操を庇って若くして戦死、という一生から見ても、
曹丕や曹彰 、曹植といった他の弟たちと比べると、
あまり父親譲りの”姦雄”的側面が見られ無いように思います。
育ての母、丁夫人の教育でしょうかね。
息子の死を犠牲にした夫、曹操を恨み、
丁夫人が実家に帰る所で物語は終わっています。
父親に似ず(!)、20歳になっても妻を娶らず、
灑華という幼馴染の少女をひそかに思っている、
というウブなあたりもなんだか曹操の息子らしくないのですが、
曹昂という人物、ある意味、屈折した所が無く、私も好きな感じでした。

で、「憂愁佳人」、「女王の悪夢」、「仮面の皇帝」、
このあたりは、曹家のDNA(因縁?)が脈々と受け継がれていくお話、
とでも言えば良いでしょうか?

まず、「憂愁佳人」。
甄夫人は、曹丕に愛されるものの、
袁煕の元から略奪された、という経緯からか、
どこか冷めており、年下の夫、曹丕に対して
毅然とした可愛げの無い態度をとり続けます。
そこをライバルの郭女王に付け込まれ、と言うべきか、
結局は夫婦間のすれ違いのような気もしますけれど、
曹植との不倫を噂されたり、もあり、
(この辺は三国志演義でもお馴染みのエピソード)
罪を問われて、自害。

次の「女王の悪夢」では、
甄夫人自害を受け、晴れて皇后となった郭皇后ですが、
夫であり、皇帝である曹丕が死に直面した今、
後継者である曹叡が即位すると、
その生母である甄夫人を廃するに加担した自分の立場が危ない!
と、うなされる物語。

「仮面の皇帝」は、
甄夫人の子、曹叡の物語です。
母を早くに亡くした生い立ちの為か、
母鹿を殺された子鹿を射る事もできない程、優しい曹叡ですが、
実母が実父(曹丕)により殺されたのがどうしても許せません。
父を憎み、母に対する思いは募るばかり。
長年連れそった毛皇后が、
嫌い抜いている父と、母の敵(郭皇后)の話題を漏らした途端、
スイッチが入ってしまい、仮面を脱ぎ棄て、毛皇后を処刑!


全体的に、曹家に脈々と受け継がれていく、
悲しい性の物語でありました。
…とまぁ、こうやって書くと、
曹丕も曹叡も、愛した夫人をその手で死に至らしめるなんて、酷い!!
という事になるわけですが、
夫婦の間のすれ違い(「憂愁佳人」)とか、
激しいマザーコンプレックス(「仮面の皇帝」)とか、
父親に愛されない寂しさ(「曹操の死」)、等が良く描かれており、
まさに、現代ものでも取り上げられるようなテーマを
歴史の舞台を借景して描いた、と言えそうです。

しかし曹操の物語、「公子風狂」について言えば、
やはり曹家の大元は曹操!という感じで、
堂々たる、曹操のお話でした!

曹操や三国志を知らない人でも、
充分、読んで面白いのではないかと思います。

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