年年大吉
中国に関連するモロモロのつぶやきです。
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DATE: 2009/02/10(火)   CATEGORY: 井上祐美子
女将軍伝
と言うわけで、「梨花槍天下無敵」のあとがきにもありましたが、
かの作品の前に書かれたという、井上先生の「女将軍伝」を読みました。
女将軍伝 (学研M文庫)女将軍伝 (学研M文庫)
(2001/03)
井上 祐美子

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このタイトルは、なんかカタめですね。
がしかし、これ、かなり好きでした!
ファンタジーじゃない、井上先生の作品の中では一番かも!!
主人公は、秦良玉、
正史に列伝を持っている唯一の女性武将で、明末の 巾幗英雄です。

最初、老いた秦良玉の回想、という形で物語は進みます。
あらすじなんかは端折りますが、
戦う女性はカッコイイから好き、って言う感じじゃなかったです。
彼女が戦場に身を投じていく過程での気持の変化が非常に好き!
その辺の描写、ものすごくリアルというか、わかる~って感じです。

多分、育った環境のせいで、彼女は武芸を身に付けたのでしょうね。
そして素質も充分あったので、伸びて行った、と。
夫の馬千乗に、石の防備のため、と言って、
自ら兵の訓練を買って出るあたりも、
純粋に正義感から、そうするのが良いと思ってしたことでしょう。

馬千乗とともに、初めて楊応龍の乱を治めに行き、
そこで戦の恐ろしさを知り、また、敵の楊二姐に、
「せいぜい天子さまに忠誠を尽くすがいいよ。どんなご褒美で報いてくださるか。」
と言われ、迷いが生じます。

その後、夫が無実の罪で獄死。
国の為に戦う、という事に本当に疑問をもったことでしょう。
かといって反乱をおこしてどうなるか、
そこまで見える彼女はじっと耐え、
夫の石宣撫使というお役目を、息子が成人するまで、と継ぎます。
この辺から辛くなっていくんですよね…

その後、兄も戦死し、女の身で一族をまとめて行く立場になる訳ですが、
あくまでも中継ぎ、という意識しかない秦良玉。
彼女がずっと謙虚だったのは、動きやすくする為、
女だてらに出しゃばって…という評判を得たくなかった、
というのもあるような気がしますが、
やはり不安も沢山あった、というのが一番なのではないでしょうか?
男女平等、って言うけど、なんでしょうね、
性別が違う、って事は、やはり別々の特徴もあるわけで、
どっちかっていうと、女性は守りが本分かなぁと思いますので、
戦いの場に好き好んで赴く、という人は少ないような気がします。
秦良玉も血を見るのが大好き、という訳ではなく、
あくまで自衛の為に始めた訓練でしたからね。
ことに、頼るべき夫もいなくて、
でも守るべき子供はいる、となれば、尚更ではないでしょうか。
(男性がむやみやたらに戦いたがる、というのでもないですけど)
名声を得よう、等と言う意識もないので、
不必要に討って出ることもなく、ひたすら守りに徹します。
それが結果的には功を奏し、彼女の評判を高めるのですが。

しかし、奢崇明の乱の時、ついに気づくのですね!
世間的に自分がどのような立場にいるのか。
彼女の動向を見て、反乱軍につくか、官軍につくか、
決定する人々がいる、という事を。
ここはかなり良い場面です!

あと、息子の祥麟が目を矢で射抜かれ、
それでも敵に立ち向かって行き、味方の士気を挙げるのに一役買った時、
誰よりも狼狽し、且つ、息子を誇りに思うのに、
それを押しかくして叱り飛ばす、というシーンも、
ホロリとしました。
母であり、将軍であるというのは本当に辛いですね。
祥麟もまた、母親の気持ちを知っているかのごとく、
ケロリとしている、というのも、良い息子だなぁ!と。

最後はこれまた、ハッピーエンドでは終わらないのですが、
(史実なので、しょうが無いですよね)
それを補って余りある、中盤の満足感でした。

面白かったです!
秦良玉、万歳!(^^)/

COMMENT

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rei★azumi | URL | 2009/02/11(水) 18:17 [EDIT]
この作品が確か、井上さんの初の歴史小説なんですよね。
で、私は、ノベルで発表された当時に読んで、
『長安異神伝』や『桃花源奇譚』とタイプの違う、こういう作品も書かれるんだと、少し驚いたのと同時に、
懸命に生きて、なお報われない良玉の人生に、何とも言えないやるせなさを感じたものでした。

今読むと、また違う感想を抱くんでしょうね。
……と思って、探してるんですが、本棚のどこへしまいこんだやら(^▽^;)
(整理整頓能力がないんです、わたくし)
● >rei★azumiさんへ
阿吉 | URL | 2009/02/11(水) 21:43 [EDIT]
>初の歴史小説なんですよね。
そうなんですね!
ファンタジーとはやっぱり手法が違うなぁ~と思いました。
最後のやるせなさはほんと、ありますよね…
仕方ないんでしょうが。

再読の楽しみってありますよね~(^^)
この手のお話は、読む時期によって
感想も変わってきそうですね!
この本が、蔵書の山から
発掘される事をお祈りしております♪

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