年年大吉
中国に関連するモロモロのつぶやきです。
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DATE: 2009/05/16(土)   CATEGORY: 武侠映画
ウォーロード 男たちの誓い(原題:投名状)
「ウォーロード 男たちの誓い」を見てきました!
いやぁ…良い映画でした。
李連杰(ジェット・リー)、劉徳華(アンディ・ラウ)、金城武、
という豪華スター揃い踏み!
一応、”武侠映画”という位置づけらしいのですが、
決してアクション娯楽大作、という訳じゃなく、
深い…深かったです!
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それもそのはずで、本作は、民間の歴史書にもある、
清代末期にあった、張文祥による馬新貽暗殺事件が元になっており、
もっと言うと、映画「ブラッド・ブラザース 刺馬」のリメイクなのだとか。

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しかし、役名などは変更されており、
馬新貽=龐青雲(パン・チンユン)@李連杰、
黄縱=趙二虎(ツァオ・アルフ)@劉徳華、
張文祥=姜午陽(チャン・ウーヤン)@金城武
となっています。
この三人が義兄弟の契、”投名状”を結ぶ訳ですね。
又、史実では義兄弟は四人だそうです。

義兄弟の契、と言うと、
「不求同年同月同日生,但求同年同月同日死!」
なんて言って、お線香をあげて、お酒を「干!」とかいって酌み交わして…
という豪快イメージなのですが、
実際のところ、私としては、誓いの重さよりも、
ヒロイズムに酔ったイメージが先行していました。
(実際、同年同月同日に死んだ義兄弟もあまりいなかったり…)

しかし、この映画では、この”投名状”が物凄い重みを持ちます!

「生死を託し助け合い、不幸も苦難もともに乗り越える。
義兄弟を傷つけし者には必ずや死を。
その者が義兄弟であれ、必ずや死を。
天地山河にこれを誓う。裏切りには天誅を。」

戦闘シーン(アクション、と呼んではいけない気持に)も重たいです。
舒城での戦闘シーンは、圧巻、でした。
まさに自分の生死を賭けて、肉弾戦を展開する三人。
空を飛んだり、派手な事はしませんが、
囲まれて、敵の足をスパーッと切り落としたり、
槍が貫通したり、大砲が転がり破裂したり。
でも、スプラッタで胸が悪くなる感じではなく、
とにかく、その画を見れば、
激しさと、酷さと、必死さと、すべて伝わります。
反戦を叫ぶより、よっぽど効果アリ、です。
そこら辺は、説明的台詞だけで片付けようとする映画と違い、秀逸です。
姜大衛が敵の首を取って、高だかと勝利の声をあげるシーンは、
ラストと重なりますね。

それから、蘇州の戦いのシーン。
塹壕はこの時代なかったそうですが、
敢えて採用し、塹壕の中の、傷と泥だらけの兵士たちの顔を見せることで、
これまた戦闘の過酷さを良く表現していました。
そして、4,000人の捕虜を虐殺するシーン。
泣きながら矢を射る兵士たち、
方針に反した為、牢に繋がれる趙二虎が泣きながら止める顔と、
後ろを向いて静かに涙を流す龐青雲、
同じく涙を流しながらも、兵士たちを鼓舞する姜午陽、
この対比は見事でした。

とにかく、印象的なシーンが端端にありました。
趙二虎が死んだ仲間を弔う為、
かげ膳を据えて死への旅立ちを祈る所、
三人の義兄弟になぞらえて、
京劇で三国志の”桃園の誓”をバックに使う所、
太平天国と戦っている為、意味も解らず、
装飾品だと思ってクルスを戦利品として持ちかえる所、
などなど…

李連杰、一本気な英雄役ならしょっちゅう演じてらっしゃいますが、
今回はなかなか深い役どころ、
徐静蕾(シュー・ジンレイ)との”恋愛”部分も良かったです。
目の動きだけで気持ちを表現したり、
しょっぱな、仲間が全滅した事を絞り出すように吐き出しながら
泣き伏す所など…
ご本人の声だったのですが、
ここはいつもの甲高い声じゃなくて、
低いトーンで台詞を言ってらっしゃって、グッと来ました。
どちらかというと劉徳華が演じる方が似合いそうな役柄ですが、
今作では、李連杰おみごと、でした。
龐青雲も、決して私利私欲、功名をあげたいが為に
戦っている訳ではないのですが、大を生かすために小を殺す、
といったやり方は、趙二虎の反感を買っていきます。
ラスト近くで漏らした一言に、もしかしたら、自己保身や出世欲もあったのか?
と思わせる場面があり、リアリティがありました。
同じく、徐静蕾演じる蓮生(リィエン)もそうです。
夫の趙二虎がいながらも、洗練された龐青雲と関係を持ってしまう彼女は、
その行為にも関わらず、決して”悪女”として描かれている訳じゃないようです。
しかし、戦争が終わった南京で、死の間際で物欲を垣間見せるあたりに、
同じような事を感じました。

劉徳華、野卑な山賊の頭領で、
部下たちから絶大な信頼を得ています。
いわゆる、武侠モノでいう英雄的役どころです。
力で村長の座を奪った彼にとっては、
官兵であった龐青雲は、最初、信用ならない相手ですが、
投名状を交わしてからは、全面的に付いて行きます。
それも、仲間が幸せになれる、と信じていたからなのですが、
捨てゴマのように仲間を使う龐青雲を見て、
段々と心が離れて行きます…
なんか劉徳華だからこそ、全く問題なく、いつもの通り、
英雄を演じているなぁ、と思ったのですが、
部下たちを鼓舞する為、叫ぶシーンなどは、いつもより力強く見えました。

金城武!
純粋、といえば純粋、
アブナイ、といえば一番アブナイ男でした。
彼自身はなんのポリシーもないのでしょう、
力のある者を尊敬し、ためらわずに従う、
単純といえば単純な役です。
でも、一番怖い…。
歩兵として肉弾戦に参加し、
迷わず敵将の首を切り落としたり、
部下が軍規を乱したとき、最初は命乞いしたものの、
龐青雲の言う事に納得した途端、
自ら粛清したり、
趙二虎に殴られても、
「龐青雲が正しい!」と一歩も引かなかったり、
逆に龐青雲と蓮生の不義密通を知って、
それまで「義姉さん」と慕っていたのにも関わらず、
殺してしまったり、
ラスト、龐青雲が趙二虎を裏切ったと知り、
やはり投名状を守る為、何の迷いもなく刺客となったり…
その時、最初に龐青雲に貰った靴を履いているのが泣かせますが。
最初、子供たちのガキ大将みたいなポジションだったのですが、
迷いが無い、ってこんなに怖いのか、と思ったほどでした。


この馬新貽暗殺事件は、”清末四大奇案”として、
今も真相は謎に包まれたまま、という事です。

COMMENT

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● 感動しました!
シュウジャン | URL | 2009/05/16(土) 23:23 [EDIT]
お久しぶりです(^o^)
私も観てきました~。
胸に迫るシーンがいくつもあってとても感動的でした。
何より主人公の声が吹替えられていなかったのがうれしかったです(特に武w)
阿吉さんが余すところ無くその素晴らしさを書いてくださったので
うんうん、と頷きながら読ませていただきました。
しかし、なんでED曲がアルフィー?
せっかくの美味しい料理がまずいコーヒーで台無しのような。
いえ、アルフィーが悪いというのではなく、ただあの映画にはそぐわないなと。
「霍元甲」の時もそうでしたが、わざわざ差替えなくてもいいと思うんですけどねぇ。
それから、パンフレットが売切れで買えませんでした~(T_T)
「レッドクリフ」よりはマイナーだからと考えてた私が甘かった。
さすが三大スターの競演。それぞれにたくさんファンがいるんですもんね。
● >シュウジャンさんへ
阿吉 | URL | 2009/05/17(日) 10:13 [EDIT]
お久しぶりです!
拙文をお誉めいただき恐縮ですが、
映画は、爽快感はないものの、良かったですよね!
結論は出ないけれど、いろいろ考えました。

金城武の姜午陽の性格、
いつもの彼らしいといえば彼らしい役どころですが、
純粋と戦が組み合わさるとこうなるのか!
と、目から鱗な感じでした。
声も本人の声で良かったですw

ED曲は…
3人だからアルフィー採用だったんでしょうか?(爆)
個人的には、映画音楽は歌詞無しのインスト、
それもオケVer..みたいなのが好きなので、
同じく違和感あるかも、です。
歌詞が解ってしまうと、
映画の内容を説明されてるみたいでちょっと…。
特に、アルフィーだと、曲調が
”勝利の凱歌!”みたいに
派手になりがちですもんね…(^^;
映画の主旨が変わってくるような…
一応、歌詞中にWarlordsという言葉があったので、
全く関係ない曲を持ってきた訳じゃないのね、
とは思ったのですが。
「霍元甲」も、同じRapでも、日本ver.より、
ジェイ・チョウのがちょっと重めで良かったです!

パンフは残念でしたね。
500円と、今時おトク価格で、
内田樹教授の登場人物評や、
井波律子先生の、歴史的見地からの
事件に対する考察、
橋本光恵編集長の俳優紹介…と、
良くまとまった良いモノでした!
● 見に行けばよかった~
rei★azumi | URL | 2009/05/17(日) 19:32 [EDIT]
というか、阿吉さんのレビューを先に読んでたら、確実に見に行ったのにな~
遠方の映画館でしか見られないこともあり、新聞の書評を見て、これは好みじゃないなとパスしてしまったのでした。
惜しいことをしました。



ヤンコォ | URL | 2009/05/17(日) 21:59 [EDIT]
こんばんは。
この映画すごく見たいのですが、我が家からかなり遠い映画館で上映なので見に行くかどうか迷っております。
良かったんですねぇ。
キャスティングはものすごく豪華なのに、なんでこんなにマイナーなんでしょう?
CMもあんまり見かけないし…(┰_┰)
● >rei★azumiさんへ
阿吉 | URL | 2009/05/17(日) 22:20 [EDIT]
アララ…
rei★azumiさんの近所では、
もう終わっちゃったのですね。
やっぱり暗い話なので、
娯楽映画のようには見られませんし、
好き嫌いはあるかもしれないです。

でも細かい演技をする李連杰とか、
ハマリ役の金城武など、
見どころは多かった気がします。

清朝末期の戦争モノ、となると
なかなか見るのに覚悟いるんですよね…。
鉄砲導入により、より一層、戦術は残酷ですし、
複雑な政治思想とかありますし。

レンタルになったらぜひどうぞ!
● >ヤンコォさんへ
阿吉 | URL | 2009/05/17(日) 22:26 [EDIT]
>我が家からかなり遠い映画館で上映
私も遠かったんですよ(^^;
魁皇関の故郷まで、苦手な高速を使って行きました!
TOHOシネマじゃないとやってないみたいですね。

>キャスティングはものすごく豪華
結構、映画としても出来が良いと思うんですけどねぇ…
派手さは確かにないかもしれませんが。
集客が見込めない、みたいな事があるのでしょうか?
● 劇場で観てきました
Mario | URL | 2009/05/23(土) 22:27 [EDIT]
輸入DVDで観て「よかった!」、お勧め作です。 トラックバックしておきました。 同じ監督の「ラブソング」という旧作もいいですよ。
● >Marioさんへ
阿吉 | URL | 2009/05/23(土) 22:58 [EDIT]
毎度、トラバありがとうございます!
私もトラバ返しをば・・・!

「ラブソング」は見たことないです。
今度見てみます!
「ウィンターソング」は見たのですが(^^;
心理描写の細かい監督で、
基本、好きな感じの監督だなと思いました!

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