年年大吉
中国に関連するモロモロのつぶやきです。
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DATE: 2009/06/24(水)   CATEGORY: 浅田次郎
天切り松 闇がたり
rei★azumiさんからお借りした、「天切り松 闇がたり」シリーズを読了しました!
…読了、って言ったけど、これ、シリーズ完結してるのでしょうか?
まだ続編が出そうですよね?ね?

闇の花道―天切り松 闇がたり〈第1巻〉 (集英社文庫)闇の花道―天切り松 闇がたり〈第1巻〉 (集英社文庫)
(2002/06)
浅田 次郎

商品詳細を見る
今回、お借りしたのは、
「闇の花道」
「残侠」
「初湯千両」
「昭和侠盗伝」
の4冊です。

いやぁ~こいつぁおもしれェや!(…と、江戸っ子っぽく言ってみた)
全然知りませんでしたが、漫画とかドラマにもなってるんですね~(^^)

村田松蔵は70歳くらいのご老人。
…平成の世、寒い時分に、留置所に突如、入ってくるもんですから、
雑居房の先客に、食い詰めの懲役太郎と間違われますが、
ところがどっこい!
実はこの人こそ、往年の盗人”天切り松”だったのですね!

どういうわけか、この天切り松、
昔馴染み(!)の警察署長に頼まれて、防犯対策に助言・アドバイスをしており、
そのお礼代わりに、昔懐かしい留置所に泊めてくれ、という事で、
紛れ込んできた模様です。(^^)

留置所暮らしの、最近の根性の座ってない悪党どもに、
”闇語り”と言う、六尺四方へは届かない盗人の声音で、
説教交えた昔話をする…
というのが,
この小説の舞台な訳です。

今のところ、天切り松本人は、どちらかというと狂言回しの役割というか、
自分の親分や兄貴分達の仕事を語る側なのですね。
なんてったって、本人が10いくつからのお話、
大正時代とかの話ですから。

で、この親分・兄貴分達がめっぽうカッコイイ!

親分は”目細の安吉”。
必殺技(?)は中抜き!
財布をスリ取って、中身だけ抜いて(あるいはキッチリ半分だけ抜いて)
財布はまた懐へ返す、というスゴ技です!
その有り様は、手毬唄にまでなっている程!
生粋の江戸っ子のようですが、子分たちの前以外では、
紳士のナリをし、口の利き方までも違います(^^)
更に上の親分の”仕立屋銀次”にも、きちんと親子の義理を通したり、
仁義を切れる人でもあります。

兄貴分達は、
強盗の”説教寅”、
ゲンノマエの”振袖おこん”、
天切りの”黄不動の栄治”
百面相の”書生常”
…といった面々です(^^)

盗人、と言うと、悪人と思われがちですが、
彼らは義賊、というか、”名前の書いてあるお金”しか盗みません。
江戸も明治も終わり、新時代が来ようか、という中、
と言っても、2009年から見れば、まだまだ義理と人情が生きている時代、
それでも少しずつ、任侠道も廃れつつある中で、
自分たちの筋を通して仕事をしていく彼らのやり口は天晴れ!です(^^)
法律で正しいかどうか、じゃなくて、
道徳的にどうか、っていう事ですね。

で、その他の登場人物も超豪華です!
山形有朋!!
清水の小政!!
永井荷風!!
竹久夢二!!
森鴎外!!
東郷元帥!!
愛親覚羅傳傑と嵯峨浩!!

創作、とは解っていても、
もしかして、盗人だったらこういう面々とやりとりがあってもおかしくないかも!
と想像させてくれる所が良いですよね~♪

話し言葉の部分は大体、小気味よい江戸弁で、名調子です!
朗読したくなる感じ、ですね(^^)
でも、「やい、この長州の芋侍が!」
てな事を言われると、やっぱりちょっと傷つくのですけども(^^;
しかし、何と言うか、この、生き様が洒落て垢ぬけてないと、
江戸っ子にそのように罵られる、って事で、ハイ。

個人的には、おこん姐さんが好きでした!
目細の安が陥れられる元凶となった金時計を
山形有朋の懐から再び盗んでの、この一言!

 と、おこんはやおらたもとから手拭に包んだ獲物を取り出すと、そおれっ、とかけ声もろとも高々と雨空に投げ上げた。金時計は人々の頭上を飛び、露台を越えて暗い川面に吸いこまれた。
 おこんは大きな目を元帥の顔に戻し、けたたましく笑った。
「見たか下衆野郎。銭金なんざたちまち消えてなくなるが、山形有朋の金時計がぽちゃんと大川に落ちたとあっちゃあ-」
 呆然と立ちつくす人々をぐるりと眺め渡して、おこんは黒繻子の襟をぽんとひとつ叩いた。
「その音ァ一生この振袖おこんの胸に残らあね」
   『槍の小輔』より


いや~カッコイイ!よっ!姐さん、名調子~♪

あと、ベタですけど、黄不動の栄治も素敵!(^^)
見てくれはダグラス・フェアバンクス(って誰?)ばりの、長身の色男!
女子学習院のお嬢さんの間には黄不動ファンクラブがあって、
嵯峨浩さんも黄不動ファンで、駆け落ちしたい、とまで!
天切り松の天切りの芸は、この黄不動さんから習ったそうですね。
というような事は抜きにしても、
育ての親の棟梁とのやり取りが凄く良いんですよね~。

「それにしてもおとっつぁん、相変わらず、いい普請だなあ」
「そうかい。この鼻ッタレが、一丁めえに親に向かってお世辞なんざぬかしやがる」
棟梁は嬉しそうに脚絆のすねを叩いた。
 足元に力なく目を落として、栄治はまるで叱られた子供が言いわけでもするように、そっと呟いた。
「そうじゃあねえ。お世辞なんかじゃねえって……この造作だけァ、どうしたっておいらの手にゃあ、負えねえんだい」
   『百万石の甍』より


自分を捨てた、血のつながっている合名会社花井組の大旦那より、
可愛がって育ててくれた棟梁の事を、本当の父親として慕う栄治の心情!(T T)

そう、全般的に、浅田次郎先生の作品って、
「生みの親が子を捨てる」という場面が多いですね。
しかも、貧しいだけではなく、ロクデナシの親が子を捨てる、という。
血より濃い水がある、というのも一つのテーマな気がします。

親分・兄貴分の活躍のほか、
天切り松の、吉原に売られたお姉さんの話とか、
友達のサーカスの子、仁太の話とか、
やっぱりホロリとする話も多かったです。

…と言う事で、次の「白湯を一杯おくんない」という台詞から始まる
天切り松の話を、私も他の留置所のファンと一緒に、待ちたいと思います!

COMMENT

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rei★azumi | URL | 2009/06/25(木) 18:47 [EDIT]
読了、お疲れ様でした (^^)
これも、お気に召したようで、良かったです。
(というか、これは、何となく阿吉さんの好みに合うような気がしてまして (^^ゞ

>まだ続編が出そうですよね?ね?
是非是非、出て欲しいんですけどねぇ。
待ってるんですケド~

で、天切り松の父っつあん自身の活躍の話も読みたいんですが、
自分の自慢話はしないってところが、天切り松の天切り松らしいところ、というか、
江戸っ子の“粋”なのかもしれませんね。

ちなみに私も、おこん姐さんと黄不動の栄治さんが好きですが、
同時に、目細の安吉親分の、あの、懐の深さも、何ともいえません。

作品としては~何とも切ないものあり、胸のすくものあり、どれも、甲乙付けがたいですよね。

ともあれ、私も同じく、天切り松の父っつあんの、次の語りを待ちたいと思います。



● >rei★azumiさんへ
阿吉 | URL | 2009/06/25(木) 21:42 [EDIT]
ほんと、ありがとうございました!
ツボでしたよ~~。
この威勢が良いというか、生きが良いというか、
朗読したくなる感じにまず、やられました!

>天切り松の父っつあん自身の活躍の話も読みたい
そうなんですよね~!
「昭和侠盗伝」に入って、ようやくとっつあんも20代後半、
自分の天切りについては1話あったくらいですもんね。

>目細の安吉親分の、あの、懐の深さ
そうそう!(^^)
「親じゃなくて、子でいたいんでさぁ!」かなんか、
仕立屋銀次に言うシーンも良かったですけど、
基本的には頼れる親分ですよねw

ほんとに、続編、出てくれませんかね~~!!

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