年年大吉
中国に関連するモロモロのつぶやきです。
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DATE: 2009/08/02(日)   CATEGORY: 浅田次郎
中原の虹
すっごい時間かかりましたが、
ようやく読了しました!「中原の虹」全4巻!

中原の虹 第一巻中原の虹 第一巻
(2006/09/25)
浅田 次郎

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浅田先生の「蒼穹の昴」の続編、ですね。
もちろん、今作も面白いんですが、かなり難解でもありました。
(時間がかかったのは、読書時間が取れなかった、というのもありますが)
やっぱり、清朝末期から中華民国建国あたり、
というのは複雑であります。私の手には負えない…(爆)
普通に王朝が変遷していく時だって、裏切りとかアレコレがあって、
多少難しくはありますが、
近代というのは、諸外国の思惑なんかも加わって、更に難解!
ドンパチがあって、政権が移る…といった状況じゃないですし。
一時期は、3つの国家(?)があったかのような状況です。

今回は図書館から借りた本だったのですが、
文庫化したら、勿論手元に置いて、再読したいと思います…

…が!
取りあえず、一度目の感想を、ポツポツ記しておきます。
そもそも、この時代くらいの中国に対する私の認識というのは、
「ラストエンペラー」から得た知識、くらいなのです。
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という事で、どうしても満州国と日本と…みたいなあたりを朧げながら…
といった程度。

「中原の虹」は、それよりもうちょっと前のお話で、
宣統帝溥儀は3歳くらいから10歳くらいの頃。
映画中では、溥儀はその頃、紫禁城から一歩も出ていません、
といった具合ですから、
「ラストエンペラー」で、この頃の政治状況を補完しよう、
といっても無理なのでした(^^;

…で、「中原の虹」では、
浅田先生が、東北王の張作霖を見直した小説を書きたい、
という意図で描かれた小説であります。
(という事は、現実では張作霖の評価はイマイチ、という事?)
「俺様は、鬼でも仏でもねぇ、張作霖だ!」と豪語し、
億万の民を救う為に、100人を殺す事も厭わない張作霖は、
カッコいいヒーローとして描かれていました。
その器の大きさ、貧乏から民草を救うという志、など、
覇者たる風格を備えています。

「蒼穹の昴」では、西太后の時代と、乾隆帝の時代が、
しばしばリンクするかのように対比して描かれていましたが、
今作では、女真族が長城を越えるか越えまいか、といった当時の
礼親王ダイシャンの想いとの対比となっていました。
歴史は繰り返す、ってこういう事なのかな~と思った次第です。

で、この本↓でのインタビューに引き摺られた感もありますが、
浅田次郎とめぐる中国の旅 『蒼穹の昴』『珍妃の井戸』『中原の虹』の世界浅田次郎とめぐる中国の旅 『蒼穹の昴』『珍妃の井戸』『中原の虹』の世界
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浅田先生が、新撰組や馬賊といった、
歴史研究家が手を出さない部分に興味がある、と言われていた通り、
なんだか新撰組と馬賊って似てるなぁ…と。
正確に言うと、浅田先生が描く新撰組と馬賊は雰囲気が似てる、
という事であります。お好きなんですネ。

という事で、張作霖が主人公という事になるのでしょうが、
張作霖の一人称での独白とかは全くなく、
彼がどういう生い立ちや、背景や、考えで、東三省を掌握していったのか、
みたいなのは語られていません。
代わりに、張作霖の眷属である、李春雷や馬占山らの苦労話から、
貧乏で、我が身の将来も没法子(メイファーヅ)としか言えなかった有り様が解り、
そんな土地で、張作霖が民衆に支持された、という過程が良く伝わりました。

で、張作霖が中心にいるようでありながらも、
やっぱり今作でも西太后が大活躍。
2巻ラストでついに崩御されてしまうのですが、
西太后が光緒帝と謀って、敢えて清朝を滅亡に追いやった、
という筋書きは、解るような解らないような…(^^;
龍玉(=天命)が無いから、聡明な皇帝を即位させてはならない、
みたいな理屈がどうもピンと来ないんですよね。
西太后一人が悪モノとなり、中国の民の怒りを煽って、
中国人の中から次の世代の統治者を産まなければ、
諸外国が中国の統治に介入して、植民地化されてしまう、
というのがその理由な訳ですが、
「蒼穹の昴」から引き続き、前半はなるほど~と思って読んでいたものの、
後半、西太后の魂が幼い宣統帝溥儀に乗り移り、
袁世凱に詔を発してしまう…みたいなあたりは流石に…ネ(^^;
まぁこの辺は、小説、ファンタジーというしかないでしょうか。
バックハウスが悪しざまに書いたこの本も、
西太后が民衆を煽る為に、敢えて書かせたのだ、という事になってましたし。
西太后治下の中国―中国マキアベリズムの極致 (光風社選書)西太后治下の中国―中国マキアベリズムの極致 (光風社選書)
(1991/10/15)
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今作で、一番印象深かったのは、実は袁世凱でした。
近代の人物って、写真などが残っているため、
顔を見る限り、そこまで悪者に見えないんですが、
天下一の俗物として描かれていました。
大嘘つきで、何度も裏切りを重ね、さんざんな人物なのですが、
そんな彼すらも、とどのつまりは諸外国に中華の国を渡さない為、
器に合わない大仕事をしたのだ-という展開となっており、
浅田先生の優しさを感じさせます。

宋教仁の暗殺も、一般には袁世凱がやらせた、
という事になってますが、今作ではナント…!
(「珍妃の井戸」でも思ったんですけど、こういう都市伝説的な人が黒幕って…)

涙もろい私ですが、今作は「蒼穹の昴」に比べると、
泣かせのツボは少なかったようです(^^;
(やっぱり春児がいじらしかった、という事か)
とはいえ、宋教仁の死ぬ前の演説は感動的でした!
で、この内容を持って、孫文という人の最近での評価をも知った訳です(^^;

…この時代の中国を描く場合、
悪役としての日本とか日本軍、というのは外せない要素であろう、
と思うわけですが、
今作に出てくる日本人は、総じて中国贔屓、
中国の、諸外国の支配を望まない人たちです。
新聞記者の岡圭之介しかり、吉永将・ちさ親子しかり。
その辺は、救い、ですかね。

あと、日本の明治維新にしてもそうですが、
旧体制を壊す人と、新体制を作る人は同じであってはならない、
という理論があるようです。
徐世昌趙爾巽とか、張作霖の子分である壮士たちとか、女真の勇者たちとか、
誰しもが、我が身や親族…といった事は顧みず、
ひたすら民草の為に、と信じて生き死にする姿は、
やはり感じ入るモノがあり、
「わが勳は民の平安」という台詞が耳に残ります。

…まだまだ感想書ききれないんですが、
私の力ではこの程度でしょうか?(^^;
なんかおかしかったらスミマセン!

今作のラストも終結を見ない形で結ばれていましたし、
浅田先生も続編を書きたい、とおっしゃっておられるようですので、
これまた続編を楽しみにしたいと思います!

COMMENT

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● お疲れ様でした
rei★azumi | URL | 2009/08/03(月) 19:45 [EDIT]
あの作品の感想を、よくここまで。
お見事です!
私だったら、張作霖カッコイイ、くらいしか出てきませんから(笑)
(でも、本当にかっこよかった ♪)

あと、ファンタジー色の濃さは、前作から感じてましたが、
ここまで来ると、本当に、ファンタジーですね。
まあ、面白かったから、いいとはいうものの……(^▽^;)

ただ、資格のない者が龍玉に触れると云々というのは、
張作霖の最期を知ると、かなり象徴的に思えました。

それと、憂国の士たちが、これほどいるのに、その人たちの働きを無にし、押し潰して、国が傾いてゆく……
天命の尽きた国というのは、こういうものか、と思わせられるあたりが、切なかったです。

等々とはいうものの、その分、余計に続編が待たれますね。

● >rei★azumiさんへ
阿吉 | URL | 2009/08/04(火) 19:15 [EDIT]
いや~reiさんが感想書けない、
って言ってた訳が良く解りました!
苦し紛れです(滝汗)

>張作霖カッコイイ
そう!カッコイイですよね~!
投げ撃ちで発砲~!とか。
(…暴力好き人間と思われそうですが)
これぞ漢!って感じです♪

>ここまで来ると、本当に、ファンタジーですね。
ね(^^;
亡霊と会話~とか多いですもんね(^^;

>資格のない者が龍玉に触れると云々というのは、
張作霖の最期を知ると、かなり象徴的に思えました。

一応、死ぬトコまでは書かれてなかったですが、
やっぱりそういう意味になるんですかね~。
張学良が成人して~みたいな部分まで
書いてあるかと思ったのですが。
今後もこの龍玉を中心に展開するそうですよ♪

>天命の尽きた国というのは、こういうものか
そうなんです!
国が潰れるなんて…どうにも想像が付かなくて、
ここまでやってもダメなのか??
…と、切ないですよね。

あと、聡明な人を敢えて皇帝に立たせない、
というのは何故でしょうね??
苦労が多くて可愛そうだから、
って事でしょうか?
じゃあ溥儀は苦労させても良かったの??とかとか。

とにかく、続編が待ち遠しいです!
毛沢東とか共産党に対する評価が固まらないと
続編は書けない、
みたいな感じだったので…
か~な~り、先でしょうね(^^;
作品の趣も変わってくるかも、ですね!

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