年年大吉
中国に関連するモロモロのつぶやきです。
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DATE: 2010/10/04(月)   CATEGORY: 映画観賞
悪人
「ベスト・キッド」の感想文はお茶を濁してしまったのですが、
中華映画じゃないものの、心に響いて良かったので
「悪人」の感想を…

実は、原作者である吉田修一先生の小説、
結構好きでして…
流行作家ですので、勿論、普通にファンも多いと思うのですが、
何というか、私の場合、
吉田先生が長崎県ご出身だからなのか、
小説中に長崎弁がバンバン出てくる所が、
大変グッと来る部分であります。
(山口県人だけど、心は九州人のワタクシ…)
”water”なんかは、読むたびに泣ける感じです。
青春モノな所もなんですが、
大切な人を失った喪失感と、
自分の肉体を追いつめて行く感覚との間に、
何とも言えない感情が湧くのです。

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(2002/08)
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で、「悪人」ですが、
朝日新聞の夕刊で連載されてる時は、
朝日新聞を購読してたのに、読んでおらず、
その後、本になってからも読んでおりませんでした(^^;
今回、映画見に行くきっかけになったのは、
やっぱりモントリオールで深津さんが受賞したから…
ってのも大きいかも(^^;ミーハーですね。

一言で言うと、良かった!
”誰が本当の悪人なのか?”
という煽り文句がついてる訳ですが、
要するに、殺人犯にも殺人に及ぶ理由があるよ、
という事で、
そこだけ見ると、”火サス”チックな感じなんですが、
それに終わらないリアリティがある、と思いました。
殺人犯であり、主人公である、祐一、
妻夫木くんが演じてますが、
これが本当に妻夫木くん!?と思うくらい、地味で暗い!
金髪とか、派手なフカし音の車、
というアイテムだけ見れば、ヤ●キーか?
と思ってしまいがちなのですが、
なんかそういうイキがってる感じでもなく、
表情のない若者です。
「…鏡、見とったら、急に(金髪に)変えとうなって…」
というぼそぼそ言うセリフがそのまま、心に響くのでした。
寂しそうなんですけど、かといって他人の同情を引くとか、
可愛がられる感じではなく、ちょっと得体の知れない感じ。
”仕事行って、飯食って、風呂入って、じいちゃんを病院へ連れて行く”
田舎の暮らしの閉塞感、
子供の頃、母親に捨てられた思い出、
「本気で誰かに出会いとうて…」
そんな祐一と出会ってしまう光代。
この二人、見た目は違うのに、何故か似た所があって、
それはやっぱり孤独というか、
生きているのかも、死んでいるのかも解らない、
行き詰った毎日、という所でしょうか。
もっと早くに出会えていたら、この二人の魂は救われただろうに…
全体的に引きこまれました!

脇を固める俳優陣も凄い!
ただ、柄本明さんは、大好きな俳優さんなのですが、
床屋さんには見えず、刑事に見えました(^^;

九州は、福岡・佐賀・長崎のあちらこちらでロケをしているらしく、
三瀬峠とか出て、うぉ~!と興奮しました。
呼子のイカとかね。
その辺もリアリティを感じたひとつでしょうか。

吉田先生らしさというか、
やっぱり、肉体にこだわってる感じがあり、
(主人公の祐一は土木作業員)
心と体について、考えてしまいます。

これは吉田先生の小説を読む時にいつも思い浮かぶ私見ですが、
なんて言うんだろ…現代は男女平等!っていっても、
やっぱり肉体労働の現場はまだまだ男の独壇場で、
男は外で体を使って働いて、
女は家で男を待つ、というスタイル、
そこに何かポイントを置かれているような…
そのスタイルで今も生きている男が、
現代の感覚に馴染めない、というような…
そして、普段はフェミニストでバリバリ仕事もやってる癖に、
逆の暮らしに意外と憧れてしまう女の人がいたりとか。
実は男の人に守られたい、みたいな。
うまく言えませんが。

九州は、日本の男尊女卑の最後の聖地(?)ではないかと思います。
”九州男児”という言葉も、褒め言葉の場合もありますが、
マイナスイメージで、”亭主関白”とか”横暴”を
意味する事もありますよね。
吉田先生が九州(長崎)を舞台にして、良く小説を書かれるのも、
何かその辺と関係があるのかな~と思うのでした。

という事で、後半、映画と関係ない話になっちゃいましたが、
映画も良かったです!
楽しいとか面白いとかでは勿論、ないのですが、
見ていて、こんな感覚になった事あるなぁ、って思います。
良かったです。

COMMENT

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ふく*たま | URL | 2010/10/05(火) 16:03 [EDIT]
「悪人」、新聞の連載小説だったんですよね。私も全然読んでなかったんですけど、深津絵里の受賞を知って初めて、「あれ、“悪人”って…」と思い至りました。
何だ、読んどけばよかったよ、とその時思った私も相当のミーハーです(^^;)
吉田修一という作家さんは全く知りませんでしたが、阿吉さんの感想を読んでいると、興味がわいてきました。今度図書館で調べてみよう。

rei★azumi | URL | 2010/10/05(火) 19:29 [EDIT]
妻夫木クン熱演、とは聞いていましたが、映画そのものも、全般的に良かったんですね~。

私も機会があったら、原作の方、当ってみようかな~。
● >ふく*たまさんへ
阿吉 | URL | 2010/10/09(土) 14:29 [EDIT]
相変わらずの亀レス、すみません~(^^;

>深津絵里の受賞を知って初めて
皆さん、自分とおなじ、と解って安心しましたw

吉田修一さん、
「東京湾景」とか、
TVドラマ化されたのも多いみたいなんですが、
私は長崎を舞台にした作品が好きです。
九州の方言の中でも長崎弁フェチなので、
朗読(!)すると楽しいのです!(←変な奴)
● >rei★azumiさんへ
阿吉 | URL | 2010/10/09(土) 14:33 [EDIT]
レス、遅くなりましてスミマセン!

>映画そのものも、全般的に良かったんですね~。
ありふれたテーマのようですが、
結構、良かったと思います。
原作者自ら、脚本も手がけたそうで、
映像とかも含めて、
全体的に”映画”として良かったと思いました。

個人的には、こういう"孤独”な青年って、
日本人特有、な気がしました。
深津さんが受賞されたのは、
元々原作で深津さんの役が重要だった、
というのもあるでしょうけど、
海外では妻夫木君みたいな青年、
理解できなかったのでは…
なんて想像しました。

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