年年大吉
中国に関連するモロモロのつぶやきです。
DATE: --/--/--(--)   CATEGORY: スポンサー広告
スポンサーサイト
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
page top
DATE: 2008/05/22(木)   CATEGORY: 張愛玲
傾城の恋
出張から帰ってきました!
読書がはかどるはかどる(^^)
まやさんからの宿題だった
張愛玲 (チャン・アイリン)の「傾城の恋」の感想です!


傾城の恋傾城の恋
(1995/03)
張 愛玲

商品詳細を見る


正直言うと
先に読んでいた「色・戒」の方はピンと来なかったのですが、
こちらはズバリ、面白かったです!
といっても勿論ゲラゲラ笑えたというのではなく、
興味深かったといいましょうか。

あらすじについては
まやさんのblogに詳しいので、そちらをご参照ください!(^^;

やはり
「傾城の恋」は張愛玲の代表作と言われるだけあります。
あと、翻訳の文体も「色・戒」より私に合っていたようです。
かなり大雑把に言いますが、
本書に収録してある
『金鎖記』
『留情』
『傾城の恋』三作品全て、
まず、「名家」があり、大奥様がいて、その子供たちが一緒に暮らしています。
子供といっても勿論良い大人で、彼らも結婚もして子供もいたりします。
「二旦那」とか「二奥様」とか「三旦那」とか「三奥様」
と呼ばれる関係性なんですね。
個人の名前ではなく、「家」の中での立場で呼ばれる関係です。
この辺は核家族の現代日本とは大きく違う時代背景・設定です。

そして、家柄は良いのですが、時代の流れでしょうか、
一様に没落しています。
かつての蓄えも、若旦那の放蕩で底をつきつつあります。
大体、「名家」の収入源って何でしょう?
大旦那様がいないから収入が無いのか、
あるいは財産を食いつぶしてしか
生きられない時代(1940年代頃)なのかもしれません。
その辺、ちょっと私が勉強不足なんですが。

女性作家が書く女性主人公なので、
「自己像を投影しているのかな?」と思って読んでいたのですが、
全然違いました!(たぶん)
非常に冷静に、この時代や封建的な家制度、というものを描いていました。
主人公の魂の安寧に向かって話を進めている訳ではないようです。
よって、『金鎖記』など、最後は悲惨な結末ですが、
かなり旧時代批判になったのではないかと思います。

『傾城の恋』では
バツ1出戻りの白流蘇(パイリュウスウ)が主人公ですが、
この時代、「家」単位で「家族」を養っている訳ですから、
「没落した名家」にとって出戻りの彼女がいかに厄介者であったか!

「食費・生活費が余計にかかる」という問題もありますし、
「嫁いだ先で跡取りも産まずにすごすごと戻ってきた女性」なんて、
「実家のメンツ丸つぶれ」といったところです。
女性同士であっても同情なんて無く、
兄嫁も寄ってたかって流蘇を責めます。

そんな流蘇が
再び自分の女としての価値を家の者達に認めさせるには?
玉の輿に乗るしかない!
なんかこの辺の決意に、「女の意地」を見ました(^^;

という訳で、普通に好いた惚れたの「恋愛小説」ではなかったです。
プレイボーイの范柳原(ファンリュウユアン)との駆け引きが何とも…!
あちこちに甘い言葉がちりばめられているものの、
ウットリと読む感じではありませんでした。
絶対に自分からよろめかないようにしようと頑張る流蘇。
勿論、彼に惹かれてはいるのですが、
ウキウキと恋愛を楽しむ、といった風情ではありません。

男は絶対に結婚にすまいとし、恋の駆け引きだけを楽しもうとする。
女は絶対に軽んじられまいとし、正妻になろうとする。
お互いが自分の格を重んじ、相手を屈服させようとする。

最終的には日本軍による香港占領がきっかけで、
二人は正式に結婚します。
一度生死の間に立つと、
「恋はプレイ」みたいな事は言ってられなくて、
非常に原始的な、「生活の為の結婚」という形に落ち付きます。
やはりそういう事になるんですね。





この時代の女性の生き方に、複数選択肢は無いようです。
職業婦人として一人では生きられない訳ですから、
とにかく、結婚する事!
どこか実家以外の「家」に属さねばならない訳です。

もちろん、嫁ぎ先は裕福な家が良いに決まっています。
そりゃ好きな人に嫁げれば良いですが、それよりも家柄・お金です!
恋愛感情なんて抜き!
そんな結婚生活ですから、
旦那の少々の不誠実には、目をつぶらねばやっていけません。
旦那だって、事業をするで無し、
実家の財産を博打や女性で浪費する以外、
大してする事は無いわけですから。
それに我慢出来なければ、
出戻って、実家で更なる屈辱に耐えるしかない。

「家」で「正妻」として、立派に跡取りを産み、
家を切りまわし(家事は使用人がやるから、経理的な事ですね)
それで初めて「立派な嫁」として居場所・存在価値が認められる、と。
それ以外の生き方は無いわけです。

もし「妾」であれば、例えお金持ちの囲い者であっても、
麻雀でもして時間をつぶしたり、アヘンをやるしかない。
自分の生きる価値が見いだせない。

ましてや家の財産が少ない場合は
色々画策し、自分や子供の取り分をどうやって増やすか考え、
旦那の兄弟やその嫁や甥姪たちに出し抜かれないように、
常に牽制しあい…

ドロドロ!

いやぁ~大変です!
現代日本に生まれて良かった!
嫁がない娘の肩身の狭さは、比べ物になりませんね(^^;

COMMENT

 管理者にだけ表示を許可する
● 気になって・・・・
| URL | 2008/05/23(金) 10:27 [EDIT]
購入しようかと思ったのですが、
中古で3600円かぁ・・・・と二の足踏み中です(笑)

やはり、チョウ・ユンファのDVDでも買おうかなぁ・・・・。
● >Dさんへ
阿吉 | URL | 2008/05/24(土) 01:02 [EDIT]
>購入しようかと思ったのですが
私も図書館で借りましたよ~!
基本、単行本は保管場所をとるので、
極力、文庫しか購入しない方向性です(^^;

>チョウ・ユンファのDVD
私も、映像も見てみなくちゃと思ってます!

TRACK BACK
TB*URL
Copyright © 年年大吉. all rights reserved. ページの先頭へ
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。